国内最高峰の時計ブランドGrand Seiko(グランドセイコー)の歴史と魅力を徹底解説

国内最高峰の時計ブランドGrand Seiko(グランドセイコー)の歴史と魅力を徹底解説

1. グランドセイコーとは?

Grand Seiko(グランドセイコー)は、日本の精密時計技術の粋を集めた高級時計ブランドです。もともとはSEIKOの1ラインでしたが、その技術力と美意識が世界でも評価され、2017年には独立ブランドとして再スタート。今では「スイス勢に唯一対抗できる日本ブランド」として、世界中の時計愛好家から注目されています。

2. 創業の背景:なぜグランドセイコーは生まれたのか

1960年、SEIKOは「世界最高の腕時計を作る」という志のもと、初代Grand Seikoを開発。機械式時計の精度競争が激化するなか、日本の技術者たちが挑んだ“精度の極限”こそが、Grand Seikoの始まりでした。

3. グランドセイコーの初代から現在までの系譜

3-1. 初代モデルと1960年代の挑戦

1960年に誕生した「初代グランドセイコー」は、1958年発表の「ロードマーベル」とその翌年に生まれた「クラウン」の二大傑作を組み合わせた、繊細で優雅、見やすく実用的で世界に勝つ腕時計として技術をつぎ込んだモデルとなりました。当時のスイス・クロノメーター検査基準優秀級規格に日本製時計で初めて合格したモデルとして華々しくデビュー。これを皮切りに、セイコーは精度・耐久性・美しさを高次元で融合させる開発を進めていきます。

3-2. GSの歴史を語る上で欠かせない1967年誕生の「44GS」

5振動の手巻時計として当時、最高精度に調整したモデルであり、現代まで連綿と受け継がれているデザイン理念「グランドセイコースタイル」によって実現された最初のモデル。目指したのは光と影のコントラストを高めることで実現する「燦然と輝くウォッチ」。欧州とは異なる日本の美意識が反映されています。

1970年代、セイコーは世界初のクオーツ腕時計「アストロン」を発表し、世界に衝撃を与えました。一時は機械式のGrand Seikoも休止されますが、セイコーは次なる飛躍に備え、技術蓄積を進めます。

3-3. 機械式ふたたび、スプリングドライブ誕生

1998年、グランドセイコーは高級機械式時計市場に帰還。キャリバーに9Sを冠した9Sメカニカルが誕生。6姿勢での平均日差-3~+5秒というスイスのクロノメーター規格よりもはるかに厳しい新グランドセイコー規格を制定し高精度技術を追求していきます。

さらに2004年には、第3の革新的ムーブメント「スプリングドライブ」を発明。これはぜんまいの巻き戻りをクオーツ(水晶振動子)とICとで制御する独自機構です。高精度・ロングパワーリザーブ・滑らかな運針・耐衝撃性を兼ね備えた次世代の時計へと進化します。

3-4. 独立ブランド化と世界進出(2017年〜現在)

2017年にセイコーブランドから独立。「Grand Seiko」のロゴマークをダイヤルの12時位置に冠し、新たな歩みを始めます。ラグジュアリー市場での明確なポジショニングを目指し、国内外の正規販売店も拡大。今ではスイス高級ブランドと並ぶ存在感を放っています。

7. 自社工房雫石と塩尻で作られる物語

メカニカルは岩手県雫石、クオーツとスプリングドライブは長野県塩尻で作られています。

長野県塩尻の澄み切った空気と美しい水に恵まれた自然豊かな街に建つ「信州 時の匠工房」は、ムーブメントの開発・設計・製造をはじめ、ケース、ダイヤル、針、インデックスなど、パーツの製造から組立調整まで、一貫して行い、スプリングドライブやクオーツムーブメントを搭載した腕時計をつくり出す、世界でも希少なマニュファクチュールです。

岩手県雫石町の静謐な森に囲まれて建つ「グランドセイコースタジオ 雫石」は、9Sメカニカルムーブメントを生み出す世界有数のマニュファクチュールです。工房の設計を手掛けたのは隈研吾氏。予約制で一般公開をしており2階のラウンジではここでしか買えないGSを展示・販売しています。

それぞれの工房で培われてきた匠の技が世界と戦える最高の精度と美しさを叶えます。

▼雫石スタジオ探訪の様子はこちら

5. グランドセイコーが誇る、3種類のムーブメント

キャリバーの9は究極ゆえ

9S、9R、9FとGSのムーブメントの数字の"9"は"究"極であることの意思表示なのです。

9Sメカニカル

高精度なパーツをつくるために、9Sメカニカルでは脱進機となるパーツの製造に先端技術「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」を採用しています。肉抜きして軽量化され、潤滑油の保持力にも優れた形状が与えられました。

スイス・クロノメーター規格よりもさらに厳しい「新グランドセイコー規格」を設けています。6方向の姿勢差、3段階の温度という条件下で17日間にわたる厳格な試験を受け、基準をクリアしたものだけがグランドセイコーの名を冠することを許されます。世界最高峰のメカニカルムーブメントです。

9Rスプリングドライブ

機械式時計のぜんまいがほどける力によって生じるトルクを動力源としながら、ICと水晶振動子によって正確に精度を制御する全く新しいクオーツの調速機構を備えた、グランドセイコー独自のムーブメントです。

制御システムは、わずかな電気を利用して、水晶振動子とICを動かします。 水晶振動子に電力が伝わることで、クオーツと同等の一秒間に32,768Hzという正確な信号をICに発信します。この革新的かつ独創的な機構により正確な秒針の動きを生み出しています。

9Fクオーツ

一年間の誤差わずか10秒だけ。正確に時を刻み、時間を読み取りやすく、一生寄り添えること。そんな当然とも言える腕時計の本質を問い続けた先にたどり着いたのが9Fクオーツです。

瞬時に切り替わる「瞬間日送りカレンダー」、機械式時計のような太く堂々とした重い針を回すための動力源「ツインパルス制御モーター」、秒針が目盛りを正しく示す指示精度「バックラッシュオートアジャスト機構」「3軸独立ガイド機構」、クオーツでも精度調整できる「緩急スイッチ」、保油性を高めるための高気密構造「スーパーシールドキャビン」。これらの複雑な機構を持つグランドセイコーの9Fクオーツは、手作業でしか組み上げることができません。それぞれの組立を異なる2名の職人が担い、熟練した技術を掛け合わせることで、その高い精度は保たれています。

6. ベストセラーモデル

世界中のアワードを総なめした新定番、通称「白樺」

9Sメカニカル 自動巻 白樺 SLGH005 グランドセイコー

¥1,276,000

商品詳細を見る

新デザイン文法も則った初のレギュラーモデル。型打ちを7回重ねて生まれる白樺のダイヤルは今までにない存在感をもたらしました。念願のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)のメンズウォッチ部門賞を獲得、日本のグッドデザインアワードなど様々な賞を獲得した名作です。

名機を受け継ぐ王道デザイン、通称「雪白」

スプリングドライブ 雪白 SBGA221 グランドセイコー

¥902,000

商品詳細を見る

雪のような質感のホワイトダイヤルです。長野県・信州の冬の雪景色からインスピレーションを受けており、職人の手によって微細な凹凸が施された文字盤は、まさに“和の美”を体現しています。歴代の名作を模範とし現代解釈した美しいデザインです。

9Sメカニカル 自動巻GMT SBGM221 グランドセイコー

¥671,000

商品詳細を見る

クラシックなデザインと実用性を兼ね備えたGMTモデルです。アイボリーダイヤルにブルースチール針が映え、エレガントながら視認性も抜群。自動巻+GMT機能で海外出張にも対応し、レトロ感あるケースデザインが時計好きに支持されています。

7. シリーズ別おすすめモデル紹介

Heritage Collection

9Fクオーツ SBGX263 グランドセイコー

¥308,000

商品詳細を見る

ケース径37mmと控えめなサイズ感で、スーツにもカジュアルにもマッチ。 文字盤はホワイト系で、清潔感と視認性が抜群。針やインデックスはザラツ研磨でキリッと輝き、上品かつ精緻な印象を与えます。温度補正・瞬間日送り・ツインパルス制御モーターなど、グランドセイコーが本気で作った“高級クオーツ”です。

Elegance Collection

9Sメカニカル 手巻 SBGW301 グランドセイコー

¥671,000

商品詳細を見る

シンプルを極めた手巻きメカニカルモデル。搭載ムーブメント「9S64」は、伝統的な手巻きながらも約72時間のパワーリザーブを誇り、精度・信頼性ともに抜群。ケース径37.3mmと絶妙なサイズ感で、クラシックな佇まいが魅力。無駄を削ぎ落としたデザインに、ザラツ研磨による美しい輝きが宿ります。

Sport Collection

9F クオーツ GMT SBGN029 グランドセイコー

¥473,000

商品詳細を見る

第2時間帯を一目で把握できるGMT機能を備え、ビジネスや旅でも活躍します。ケース径39mmと装着感も良好。ブラックダイヤルにGMT針が映え、視認性も抜群。機能と精度を両立したプロフェッショナルな一本です。

一覧へ戻る